かぐやの物語 姫の犯した罪と罰って?
- 2014/01/20
- 08:00
ずっと観たかった映画にやっと辿り着きました。

かぐや姫の物語
姫の犯した罪と罰。
【監督】
高畑勲
【音楽】
久石譲
【キャスト】
かぐや姫:朝倉あき
捨丸:高良健吾
翁:地井武男
媼:宮本信子
相模:高畑淳子
女童:田畑智子
斎部秋田:立川志の輔
上川隆也石作皇子
阿部右大臣:伊集院光
大伴大納言:宇崎竜童
石上中納言:古城環
御門:中村七之助
車持皇子:橋爪功
北の方:朝丘雪路
炭焼きの老人:仲代達矢
三宅裕司
>公式HP
11月に封切りされていますが、なんだかんだで今になっての鑑賞となりました。
個人的には風立ちぬよりもかぐや姫の方に惹かれてまして。。。^^
先にひとこと。
最後に 涙ボロボロ。
思った以上に、すごく好きな作品でした。
是非とも劇場でご覧頂きたいです。
宣伝では、
「姫の犯した罪と罰。」
というフレーズと、独特なタッチの姫の疾走シーンが印象的ですよね。

およそ おとぎ話の「かぐや姫」とは異なるイメージです。

「表情が怖い」というのではなくて、あの時の感情を表現するのにこの荒いタッチがすごく合ってました。
でも、宣伝で使われている印象的なシーンは、かぐや姫の感情が高ぶった ほんの一瞬です。
梅のつぼみがふくらみ、椿、木蓮、桜、藤の花へとかわっていく。
日本の四季のうつろいを感じ、田園風景や野山の美しさに、心がふわっと暖かくなります。
特に満開の桜の大木は本当に美しかった。
男勝りのイリジでも、姫のようにクルクル回ってみたい!と感じる幻想的なシーンです。
それから、
お屋敷を床板を駆け回る足音
衣擦れの音
この音がとても良かった。
(地味?)
衣 は、 「かぐや姫」では大事なアイテムの一つかと思いますが、わずかな動きにも加わるこれらの音が、ものすごく臨場感を出していました。
そして、今回の作品はプレスコ(声を先にレコーディングしてアニメ制作する)とのこと。
どうりで!!!
というのも、出て来るキャラクターが、どことなく声の主に似ている。。。(笑)
ただ、御門(中村七之助)のアゴがしゃくれ過ぎやろ!?というツッコミを必死に呑み込みながら観ていたことも事実です。。。(笑)
ちぃちぃ(翁)の熱演も素晴らしく、かぐや姫を溺愛する親バカぶりがハンパ無くて、こっちがハラハラしました。
ストーリーはと言いますと、だれもが絵本でも読んだ「かぐや姫」の物語です。
「今は昔竹取の翁といふものありけり。
野山にまじりて、竹をとりつゝ、萬の事につかひけり。
名をば讃岐造麿となんいひける。」
高校時代に授業で暗記したフレーズからはじまり、以外と覚えているもんだな、、、と あの頃を思い出しました。(笑)
竹から生まれて、
すくすく育って、
都へのぼり、
美しく成長し、
5人衆に求婚され、
蹴散らし、
御門のオファーにも
ごめんなさい!
そして月へ帰る。
チーーーーーーーーン
見終わってみると、、、、
はて、
かぐや姫の罪と罰って????
不埒なイリジは鑑賞前、
かぐや姫が(きっと)地上で何かチョメチョメしちゃったのが罰なんだろう、、、くらいに考えていたのですが、全くお門違いもよいとこでした。
スッポリ抜けていましたが、竹取物語でも「月で犯した罪のせいで地上に送られた」と言っています。
映画では、その辺り、ふんわりと表現していました。
で、その罪と罰とは???
映画を観たなかで思うのは
(罪)穢れことのない月にいながら、地上に憧れていたこと。
(罰)地上に送られたこと。
では、
地上に憧れている人をそこへ送ることが罰になるのでしょうか?
好きな野山から離れて都で暮らす。
したくもない花嫁修業。
翁との想い違い。
捨て丸の現実の姿との距離。
求婚者たちのやりとりや不幸な出来事。
御門の横暴な振る舞い。
”憧れの地上での暮らし” はかぐや姫にとって楽しいことばかりでなかったようです。
そして、ついに、
もう、こんなところにいたくない!
と思ってしまう。
ここでゲームオーバーだったのです。
翁・媼を目の前に地上を離れたくない。
月の羽衣をまとってしまったら、地上での記憶がなくなってしまう。
帰りたいと願ったけど、帰りたくはない。
最後まで葛藤のまま、その時を迎えます。
十五夜の晩、お迎えにきた月の使者がこう言いました。
「地上の穢れを忘れなさい」(だったかな)
すると かぐや姫、
「 私は穢れ(けがれ)てなどいない! 」
月の世界では、”喜”と”楽”だけかもしれません。
けれど私たちの住む地上は喜怒哀楽や煩悩に溢れています。
それは決して穢れではない、かぐや姫はそう感じたのです。
残された人々、消された記憶、そんなことも含めた「罰」なのとしたら、月の人はなんと残酷だろう、、、。
「この世は生きるに値する」
宮崎駿監督の引退会見でおっしゃっていました。
たとえ苦しもうが、悩もうが、
それは穢れではない。
それが「生きる」ということなのだ。
「かぐや姫の物語」と引退会見の言葉が重なりました。
そんなこんなで、思いのほか心をギューーーっとされた作品でした。
是非とも劇場でもう一度観たいです。
【かぐや姫の物語 プロローグ】
かぐや姫の物語
姫の犯した罪と罰。
>公式HP

かぐや姫の物語
姫の犯した罪と罰。
【監督】
高畑勲
【音楽】
久石譲
【キャスト】
かぐや姫:朝倉あき
捨丸:高良健吾
翁:地井武男
媼:宮本信子
相模:高畑淳子
女童:田畑智子
斎部秋田:立川志の輔
上川隆也石作皇子
阿部右大臣:伊集院光
大伴大納言:宇崎竜童
石上中納言:古城環
御門:中村七之助
車持皇子:橋爪功
北の方:朝丘雪路
炭焼きの老人:仲代達矢
三宅裕司
>公式HP
感想あれこれ
11月に封切りされていますが、なんだかんだで今になっての鑑賞となりました。
個人的には風立ちぬよりもかぐや姫の方に惹かれてまして。。。^^
先にひとこと。
最後に 涙ボロボロ。
思った以上に、すごく好きな作品でした。
是非とも劇場でご覧頂きたいです。
宣伝では、
「姫の犯した罪と罰。」
というフレーズと、独特なタッチの姫の疾走シーンが印象的ですよね。

およそ おとぎ話の「かぐや姫」とは異なるイメージです。

「表情が怖い」というのではなくて、あの時の感情を表現するのにこの荒いタッチがすごく合ってました。
でも、宣伝で使われている印象的なシーンは、かぐや姫の感情が高ぶった ほんの一瞬です。
梅のつぼみがふくらみ、椿、木蓮、桜、藤の花へとかわっていく。
日本の四季のうつろいを感じ、田園風景や野山の美しさに、心がふわっと暖かくなります。
特に満開の桜の大木は本当に美しかった。
男勝りのイリジでも、姫のようにクルクル回ってみたい!と感じる幻想的なシーンです。
それから、
お屋敷を床板を駆け回る足音
衣擦れの音
この音がとても良かった。
(地味?)
衣 は、 「かぐや姫」では大事なアイテムの一つかと思いますが、わずかな動きにも加わるこれらの音が、ものすごく臨場感を出していました。
そして、今回の作品はプレスコ(声を先にレコーディングしてアニメ制作する)とのこと。
どうりで!!!
というのも、出て来るキャラクターが、どことなく声の主に似ている。。。(笑)
ただ、御門(中村七之助)のアゴがしゃくれ過ぎやろ!?というツッコミを必死に呑み込みながら観ていたことも事実です。。。(笑)
ちぃちぃ(翁)の熱演も素晴らしく、かぐや姫を溺愛する親バカぶりがハンパ無くて、こっちがハラハラしました。
ストーリーはと言いますと、だれもが絵本でも読んだ「かぐや姫」の物語です。
「今は昔竹取の翁といふものありけり。
野山にまじりて、竹をとりつゝ、萬の事につかひけり。
名をば讃岐造麿となんいひける。」
高校時代に授業で暗記したフレーズからはじまり、以外と覚えているもんだな、、、と あの頃を思い出しました。(笑)
竹から生まれて、
すくすく育って、
都へのぼり、
美しく成長し、
5人衆に求婚され、
蹴散らし、
御門のオファーにも
ごめんなさい!
そして月へ帰る。
チーーーーーーーーン
見終わってみると、、、、
はて、
かぐや姫の罪と罰って????
不埒なイリジは鑑賞前、
かぐや姫が(きっと)地上で何かチョメチョメしちゃったのが罰なんだろう、、、くらいに考えていたのですが、全くお門違いもよいとこでした。
スッポリ抜けていましたが、竹取物語でも「月で犯した罪のせいで地上に送られた」と言っています。
映画では、その辺り、ふんわりと表現していました。
で、その罪と罰とは???
映画を観たなかで思うのは
(罪)穢れことのない月にいながら、地上に憧れていたこと。
(罰)地上に送られたこと。
では、
地上に憧れている人をそこへ送ることが罰になるのでしょうか?
好きな野山から離れて都で暮らす。
したくもない花嫁修業。
翁との想い違い。
捨て丸の現実の姿との距離。
求婚者たちのやりとりや不幸な出来事。
御門の横暴な振る舞い。
”憧れの地上での暮らし” はかぐや姫にとって楽しいことばかりでなかったようです。
そして、ついに、
もう、こんなところにいたくない!
と思ってしまう。
ここでゲームオーバーだったのです。
翁・媼を目の前に地上を離れたくない。
月の羽衣をまとってしまったら、地上での記憶がなくなってしまう。
帰りたいと願ったけど、帰りたくはない。
最後まで葛藤のまま、その時を迎えます。
十五夜の晩、お迎えにきた月の使者がこう言いました。
「地上の穢れを忘れなさい」(だったかな)
すると かぐや姫、
「 私は穢れ(けがれ)てなどいない! 」
月の世界では、”喜”と”楽”だけかもしれません。
けれど私たちの住む地上は喜怒哀楽や煩悩に溢れています。
それは決して穢れではない、かぐや姫はそう感じたのです。
残された人々、消された記憶、そんなことも含めた「罰」なのとしたら、月の人はなんと残酷だろう、、、。
「この世は生きるに値する」
宮崎駿監督の引退会見でおっしゃっていました。
たとえ苦しもうが、悩もうが、
それは穢れではない。
それが「生きる」ということなのだ。
「かぐや姫の物語」と引退会見の言葉が重なりました。
そんなこんなで、思いのほか心をギューーーっとされた作品でした。
是非とも劇場でもう一度観たいです。
【かぐや姫の物語 プロローグ】
かぐや姫の物語
姫の犯した罪と罰。
>公式HP
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